エッセイ 特講「みらい科」「ふしぎ科」のメッセージ

P1020270校独自のこの2つ授業は、この学校が大切にしている「かかわり」「連帯」「共生」といったテーマを独自の方法で豊かに表現しています。
昨日の「みらい科」の授業をいてみました。「わたしのせいじゃない」という絵本からつくった小さな劇をとおして、自分の「ことば」を考える授業
です。自分の他者への「ことば」は、大きな力です。生きる勇気を与えることも、深い傷をつけてしまうこともできる「一言」の威力。ことば一つでプラスにもマイナスにも、そのパワーの方向性が決まってしまう、そのことに気づくことができる魅力的な授業です。

 

 

P1020251みらい科は、本校A類型の特講科目で、「自分」を豊かに知ること、「他者」とかかわって生きること、そのことに伴う喜び、痛み、困難、発見、感動、それらを丸ごと味わう授業です。かかわらずには生きていけない私たちが、自己を磨き、他者を大切にすることが、実際にはどういうことなのか、当たり前のような事実が、実は驚きと発見の連続であることを生徒たちは学びます。

 

 

 

 


P1020265一方、「ふしぎ科」はB類型の特講科目です。昨日はまさしく、私がいつも考えている「連帯」と「共生」がテーマでした。本校の立地条件、銀閣寺から南禅寺まで、南北に走っている哲学の道、そして、学校から徒歩5分で行ける法然院という素晴らしいロケーションがそのまま教材です。

 

 

 

 

 

P1020268たとえば、法然院に棲む生物たちについて学んだこと、それは、森に棲む生き物たち、ムササビや木々やキノコたちが、どのように共に生きようとしているのか、それを知ることは目を見張る驚きに通じます。私はキノコたちが木々に助けられて生きているのは知っていましたが、木たちがキノコ類にこれほど助けられているのだということは知りませんでした。深い感動でした。では人は、どのように住まわせてもらえばいいのだろうか。それを考えてしまいます。森とそこに棲む生き物たちとが互いに最高のバランス感覚でもって共生しているのがわかれば、人がそこで連帯して同様のバランス感覚を持たせてもらうには、もっと知らねばならないこと、考えねばならないしくみ、できる工夫がたくさんあるはずです。

 

 


「みらい科」「ふしぎ科」を受けている中学3年生は、人が世界の中で生きていくことについて、この学校にしかない方法で学んでいると言えます。そのことを学校長として誇りに思います。

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