エッセイ 高校3年生の黙想会~前途を御手に委ねます

4月10.11日は高校3年生全員を対象にした黙想会でした。二日間、授業をせず神父様による「講話と黙想」を5セッション継続。魂を磨く時。中学1年生から高校2年生までは年が明けた1月の始業と共に行いますが、高校3年生だけは、進路を具体的に見据えた卒業の年にあたり、自分の生き方を見つめ直して新たに飛躍するために、魂にさらに磨きをかける時としてこの時を選んでいます。今年は名古屋から、神言会の森山勝文神父様をお招きしました。神父様は、時間と心と労力をかけ、綿密に準備してくださいました。心から感謝いたします。

今回のテーマは「ノートルダム教育のミッション・コミットメント」。ノートルダムで学ぶ私たちの具体的実践として、聖母マリアの生き方を背景とした「尊ぶ・対話する・共感する・行動する」の4つの動詞を、私たちは自分自身の日常でどのように生きればよいか、このことを深く掘り下げていきます。私も時間の許す限り、生徒たちと共にセッションに参加しましたが、あらためて、聖母マリアという一人の女性を、現代のコンテクストで仰ぎ見ることの意味の大きさを感じました。

今年から新たに、黙想会の総仕上げとして、二日めにあたる昨日の午後は、河原町教会でミサに与ることにしました。恵みの雨の下、桜満開の京都の町をスクールバスで移動。初めてこの聖堂に佇む生徒たちも多く、美しい彩りのステンドグラスを眩しそうに見上げています。ミサに先立ち、本校卒業生であり、河原町教会のオルガニストもされ、全国各地でコンサートを展開されているオルガニストの桑山彩子先生に、パイプオルガンによるメディテーションの時間を頂くことができました。聖堂に座って、静寂のうちにオルガンの音色に耳を傾けます。一人ひとり心がほどかれて自由になり、いつしか隣りに座る友人を知りながらも、神と私の静かな対話の時間に入っていきます。そのような潤う時間を創ってくださった桑山先生には感謝の言葉しかありません。生徒一人ひとりの魂にとって、贅沢にも栄養価の高い食物をふんだんに与えて頂きました。

ミサは、5つのセッションで積み上げた内容の総仕上げの時間、この新しい学年、ノートルダムでの最後の年を、自分らしく精一杯生きることができるよう、森山神父様による祝福も一人ひとりが受けました。どうぞこの新たな学年が神の祝福で満たされたものでありますように。一年後の今日はきっと、それぞれの場所で新たな夢に向かって励んでいるに違いない彼女たちの横顔を見つめながら、その前途を神様の御手に委ねました。「種を蒔き続けるのは私たち、育てるのは神様、あなたなのですから」とつぶやきながら。

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