東北の夏

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今日は、高校3年のNさんと、校長室でゆっくり話す機会に恵まれました。もともと、国際協力やボランティアなどに関心があるという彼女は、夏にお母様と東北のご親戚を訪ね、震災後の様子を見てきたいという希望を、夏休みに入る前に私に分かち合ってくれていました。授業が始まり3日たった今日、その話が聴きたくて、彼女を部屋にお呼びしました。 
福島県はお祖母様のお故郷で、宮城県は、お祖母様のご兄弟が多数住まわれています。Nさんのハトコにあたる人が、いろいろ案内して下さったそうです。何もない荒れた空き地のすみにひっそりと供えてあるお花を見た時、やはりこの地に実際に来てみることの大事さを想ったこと、また、地元の若者たちと自然な形で交流をもてたこと、京都から来た自分のことを心から歓迎して下さったそれらの人たちと直接対話しているうちに、彼らが深い悲しみを乗り越え、前をしっかり向いて少しずつでも歩んでおられる様子がわかり、涙が出てきたこと、その歩みに自分も何らかの形で、是非とも携わりたいと思い、胸が熱くなったこと。それらを分かち合って下さり、聴いている私も心が熱くなりました。 
地元の若者の中にとけ込み、対話を深めながら得たことを、瞳をキラキラさせて、真剣な表情としっかりした口調で語ってくれた彼女のことを、私は校長として心から誇りに思います。 
Nさん、今日はありがとう。この夏の東北での大切な時間は、あなたのこれからの歩みの中で貴重な養分になるでしょう。是非、今月の朝礼で話してくださいね。低学年の人たちに、よい刺激になると信じています。

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