
星野 恭子
Kyoko Hoshino
英語科 グローバルコース1年担任
教員歴:25年 担当教科:英語 グローバル英語コース副コース長・英語科主任 趣味:チェロ、音楽鑑賞(クラシック、嵐、UKR&Bなど)、整骨院通いなど。

村田 素子
Motoko Murata
理科 STE@M探究コース1年担任
教員歴約40年、担当教科は理科(生物)、理科の面白さを伝えたくて教員になりました。好きなことは、museum巡り、読書、散歩など。生徒たちと接する中で、今も日々新しい発見があります。
オンライン授業のこれから
テーマ1
生徒をひとりにはさせない
中学1年生のクラスづくり・心と体の健康を願って
2021.04.05 配信
CASE 1
中学1年生のクラスづくり
星野 恭子
Kyoko Hoshino
英語科 グローバルコース1年担任
教員歴:25年 担当教科:英語 グローバル英語コース副コース長・英語科主任 趣味:チェロ、音楽鑑賞(クラシック、嵐、UKR&Bなど)、整骨院通いなど。
村田 素子
Motoko Murata
理科 STE@M探究コース1年担任
教員歴約40年、担当教科は理科(生物)、理科の面白さを伝えたくて教員になりました。好きなことは、museum巡り、読書、散歩など。生徒たちと接する中で、今も日々新しい発見があります。
休校は、3月2日から始まった。通常なら、4月の入学式で、教師と生徒あるいは生徒同士が顔を合わせ、期待と不安を胸に互いの気持ちを重ねながら、次第にひとつのクラスをつくりあげていく。
が、今年はその「穏やかな離陸」ができる環境にはなかった。
もともと4月9日に予定されていた入学式は、早々に延期が決まった(最終的には7月4日に実施)。その前日の4月8日に個別に行われた「新入生オリエンテーション」が、生徒にとっては唯一の「学校に触れた機会」だった。
また、ノートルダム女学院の中学1年生は、ノートルダム学院小学校から進学する生徒と、中学から始めてノートルダム女学院に入学する生徒が約半々の割合となっている。入学式で集まることもない、誰がクラスメイトなのかもわからない。とりわけ中学から初めてノートルダム女学院という新たな環境に飛び込んでくる生徒にとっては、その心理的な不安は計り知れない。
そんな環境の中で、他の学年とは異なる「まっさらからの中学1年生のクラスづくり」にあたったのが、中学1年生の担任だ。STE@M探究コースを村田が、グローバル英語コースを星野とMckeeganが、プレップ総合コースを杉本がそれぞれ担当する。
中学1年生の担任は、他の学年以上に「生徒と生徒、生徒と担任のつながり」をつくるための時間を確保することを決めた。
そのための「場」として設定したおもなものは、以下の6つである。
① 朝のショートホームルーム
4月13日からは、学校全体での取り組みとして中学・高校の全学年・全クラスでGoogle Classroomを使った15分程度の「朝のショートホームルーム」が始まった。自宅生活が長引けば生活のメリハリをつけづらい。生活のリズムをつくるため、また生活リズムを崩さないためにも、毎日「出席」確認を行った。中学1年生クラスでは、時間は長引いても、それぞれで自己紹介し合う時間も多めに割いた。
② 終わりのショートホームルーム
「朝のショートホームルームだけは、コミュニケーションの絶対量が足りない。そこで、この学年独自で始めたのが『終わりのショートホームルーム』です(星野)」。まずは、顔を覚える、人となりを知る。そのためには、物理的な時間を確保することが優先された。
また、小学校と中学校では、学習の量と質が大きく変わる。その典型的なものが課題だ。とりわけノートルダム女学院では、自学自習の習慣をつけるために、自分で調べたりレポートを書いたりといった「自分でやり遂げる課題」が出されることが多い。
「中学学習の立ちあがり期で取りこぼしが起きないようにするには、各教科の授業で出される課題を毎日確認したほうがいい。終わりのショートホームルームは、そのためにも必要でした(村田)」。
③ ロングホームルーム
朝と終わりのショートホームルーム以外に、ロングホームルームも開いた。これにはZoomを利用した。
「少人数のグループに分かれて会話し、互いの人となりを知ることを目的としました。Zoomのブレイクアウトルームの機能を使い、ランダムに3~4人のグループをつくって、自己紹介と質問を繰り返します。授業時間50分のうちに、3回ぐらいグループ分けを変えながら繰り返し行いました(村田)」。
④ ホームルーム前後の生徒だけのおしゃべりタイム
生徒同士の心理的な距離が近くなったころ、生徒からの提案でつくったのが「生徒だけのおしゃべりタイム」だ。朝のショートホームルーム前や、終わりのショートホームルーム後に、生徒だけで集まってオンラインで会話する。当然ここには、教員は入らない。いうならば、友達と話しながら歩く朝の登校時間であり、あるいは放課後の教室だ。
「生徒たちは、ジェスチャーゲームをしたりおしゃべりしたり。好きに時間を楽しんでいました。ただし、この時間をつくるにあたっては、私たち担任から生徒に対して楽しみ方のルールをアドバイスしました。たとえば、“まだ課題が終わっていないのに長時間おしゃべりをするのは違うよね”だったり、“LINEのグループをつくるときには、スマホを持っていない友だちがいるかもしれないことも忘れずに!誰かをひとりぼっちにしてしまわないようにね”だったり。こうした『学習習慣や生活習慣づくり』、『人との関わり方の基本』を指導することも、中学1年生のクラスづくりには欠かせない要素です(星野)」。
⑤ 担任と直接連絡を取り合える場
生徒が、担任と直接連絡し合える場も設けた。これにはGoogle Classroomを使った。Google Classroomは、生徒と教員が個別にやり取りできる機能もある。
「『授業のここがわからなかった』でも『Webの接続がうまくいかない』でも何でもいいんです。とにかく困ったことがあればいつでも聞いてね、と。新しい学校に通う中学1年生には、単純に体験していないからわからないことがたくさんあります。たとえば、制服ひとつとっても、夏服をいつから着ればいいのか? あるいは学校の再開が近づけば、通学の仕方がわからない。通学に何分ぐらいかかるのか?何系統のバスにどこから乗ってどこで降り、バス停からはどの道順で行けばいいのか?本当に細かいことです。通い慣れた上級生ならあたりまえのことも、初めて体験する中学1年生にとっては不安だらけです。ホームルームで『何か質問ないですか』と聞いても、声に出せない生徒もいます。後からこっそりと聞いてくる生徒もいる。ホームルーム以外にも気軽に聞ける場が必要でした。実はこうした場をつくったことで、私たち担任も『生徒が何をわかっていないのか?』を認識することができ、あらためて全員に周知し直すこともありました(星野)」。
また、この場は生徒からの質問を受けるだけの場でもなかった。
「実は、担任にとってもありがたい場でした。たとえば、ふつうに学校に通っているなら、気になる生徒がいれば、廊下ですれ違う際にひと声掛けることもできます。でも今回は、そんな日常的な接触がもてなかった。とにかく生徒を孤独にしない、生徒をひとりにしないということを頭に置きながら、こちらから個別にメールを送ったり、メールの返事がなければ電話をかけたり。意識的に生徒にアプローチすることができる場でした(村田)」。
⑥ ゴールデンウィーク期間中のオンライン個別面談
さらにゴールデンウィーク中には、オンラインでの個別面談も実施した。
「クラスの生徒全員と一対一で面談する場で、もちろん保護者の方にも参加していただける場です。授業でもホームルームでもない、時間にゆとりのある時にとじっくり話す。そのなかで、性格や人となりなど一人ひとりの輪郭がより鮮やかになりました。また、保護者の方からは、『いつから登校できるんでしょうか?』とか『入学式はありますか?』といった声もいただきました。何気ない会話にも保護者の方が胸に秘めている不安や、ノートルダムに対する期待を実感することができた場です(星野)」。
在校生VOICE
森 雪乃
中学1年生
プレップ総合コース
新しい制服を着て登校する日を楽しみにしていたのに、いきなりのオンライン。クラスメイトや先生はどんな人だろうと心配でしたが、初めてオンラインでつながったときにみんな明るい雰囲気だったので安心しました。クラスメイトとは、ロングホームルームの時間に、自己紹介やハマっていることを互いに話し合い、少しずつ絆を深められました。また授業中も、チャット機能で気軽に意見交換ができ、より相手のことを理解できたと思います。学校が再開した今は、オーケストラクラブで憧れのバイオリンを練習中。今後もオンラインの経験を活かし、どんな環境でもできることを見つけて、毎日を充実させていきたいです。
宇野 恋桜
中学1年生
プレップ総合コース
もともと人見知りで、入学前から友だちができるか不安でいっぱい。だから、スマホやタブレットを通して友だちや先生とつながるオンライン授業も、ドキドキでした。でも、担任の先生がGoogle Classroom上に「秘密のお部屋」をつくってくださり、オンラインでの学校生活の悩みや質問を直接先生に相談できたので心強かったです。休校期間中は、放課後にみんなでテレビ電話をつないでおしゃべりし、徐々に友だちもできていきました。6月に初めて対面したクラスメイトは、画面上で見ていたのよりも、もっとずっと楽しい人たちばかり。このメンバーでこれから学校生活が始まることが、とても楽しみになりました。
小倉 和香菜
中学1年生
グローバル英語コース
グローバル英語コースは積極的な人が多く、また少人数制ということもあり、オンライン授業でもクラスメイトと仲良くなりやすかったです。ただ、非常事態宣言が解除されて、実際に会う日のことは少し不安でした。授業では、アプリに慣れるまでは課題の提出がうまくできなかったり、授業途中に退出してしまったり。タイムラグでうまく聞き取れず、不安なときもありました。でも、授業とは別に、英語や数学の先生がオンライン質問会を開いてくれ、個人的な質問もできたので不安は解消。自宅でオンライン授業を受けていたせいか、通学するようになった今も、自宅で勉強する習慣が身につき役立っています。
原田 朋
中学1年生
STE@Mコース
ノートルダム学院小学校出身のため、登校できない不安は、他の友だちと比べると少なかったと思います。オンライン授業も、動画を見ながら自分のペースで学習を進められるので、しっかり勉強したい私にはぴったり。通常の授業科目を全部オンラインで学べるので、図工で遠近感のある図面の描き方を学んだり、体育でストレッチや筋トレをしたり、興味を持って勉強できました。また、クラスでSNSのグループを組み、わからない問題をみんなで共有して教え合うなど交流もできました。オンラインである程度関係性ができていたため、現在の対面授業でも、授業で発言したり、先生に質問したりがしやすいです。