ノートルダム女学院の
教育と社会を結ぶ交差点

ノートルダム女学院のこれから

父母の会からのメッセージ

2021.04.05 配信

佐々木 和泉さん

Izumi Sasaki

父母の会

お子様はプレップ総合コース中学3年生。
公立小学校を卒業後、ノートルダム女学院に入学。

平海 知美さん

Tomomi Hiraumi

父母の会

お子様は、STE@M探究コース中学3年生。
ノートルダム学院小学校を卒業後、ノートルダム女学院に入学。

先生との距離が近いノートルダム
真正面で受け止めあって深い信頼を

2020年3月2日から始まった全国一斉休校。そのさなか、自宅で生活することを余儀なくされた子どもを、ご家庭ではどんな思いで見つめていたのだろう?また、父母のみなさんは、学校に対してはどんな期待をしていたのだろう?
ノートルダム女学院のさまざまな学校活動を支えていただく父母の会のお二人に、お話をお聞きしました。

「早めの長い春休み」気分で始まった休校
新学期を迎えたころから、ストレスと不安が

佐々木さん子どもは中学3年生の娘と、公立小学生に通う妹の二人です。3月2日の月曜日からの全国一斉休校が決まり、2月29日の土曜日には、子どもは多くの荷物を抱えて帰ってきました。初めは姉妹ともに「早めの春休み」気分だったと思います。しかし、いつもの休みとは違って、近所の友だちと会うことも、どこかに遊びに行けるわけでもありません。
妹の方が大変でした。いつもと同じ休みじゃない、それはわかってはいるのですが、そこはまだ遊びたい盛り。ずっと家の中ばかりでは運動不足になるし、そのぶんストレスもたまってきます。マスクの着用を徹底して、時々近所の子ども達と一緒に公園に遊びに行かせていました。

平海さんうちは、子どもは1人で中学3年生です。私も働いているので、娘が1人で家にいる日もありました。中学生なので、そんなに手がかかるわけではありませんでしたが、もし小学生で、弟や妹がいたら、家に子どもだけを残して行くのは大変だったと思います。
娘も、初めは「長い春休み」気分でいたと思います。いつもなら、4月には入学式や始業式があって、自分も学年が上がって気分も変わります。ところが今回はそれがなく、いつまでこの状況が続くのか、少し不安を感じていたと思います。

佐々木さんもともとうちの娘は朝が弱く、休みの日はゆっくり寝ているタイプです。毎日学校に通うことが生活リズムを作るペースメーカーになっているので、それがなくなると、どうしてもメリハリがなくなります。
4月に入ってすぐにオンライン授業が始まったのは、本当にありがたかったです。単に勉強が遅れずにすむといったことでだけではなく、「生活のリズム」をつくっていただけたと思います。

平海さん特に、オンラインでの朝のホームルームの力は大きかったと思います。一斉休校中も、学校からはタブレットを通じてオンラインで課題が送られていました。初めはもの珍しさも手伝って、私も娘も「これで計画的にやれるね、やろうね」なんて言っていたのですが、「長い春休み」気分が災いし、計画的には続けられませんでした。
朝のホームルームが始まったのは、4月13日の月曜日です。そこから「家にいながら、学校に通っている」意識が生まれた気がします。やっぱり、先生方の力や友だち同士で与え合う刺激って大きいものだと痛感しました。

4月13日には、全クラスでオンラインホームルームを開始。4月15日には全教科のオンライン授業も始まった

親身に相談にのっていただいた
オンライン授業用のWi-Fiやアプリの疑問

平海さんオンラインでホームルームや授業を始める際に、特に大きなトラブルなどはありませんでした。ノートルダム女学院では、中学入学時に一人に1台タブレットが配られ、家のWi-Fi環境も整えてくださいと指示もいただきます。あらためて一から環境を整えなければならないといったことはありませんでした。
それでもいざZoomなどを使って授業を始めると、宿題提出やサイトを見るぐらいの通信量とは違うため、Wi-Fiが落ちて切れてしまうこともありましたが、先生に質問したり相談にのっていただいたりして、あらためて整え直しました。

佐々木さんZoomをつなぐのは初めてです。きちんとできるかな、決まった時間にちゃんと授業に入れるかなとドキドキしながら家族総出でモニターの前に待機して、つながったら思わずみんなで拍手してしまいました。一回できたらすぐに慣れ、特にトラブルもありませんでした。

平海さん娘は、普段からタブレットを使っているので、一度説明を見ると、すぐにカチカチっとして、「大丈夫、コレでもうつながるから」と、慣れた様子で授業を受けていました。

佐々木さんうちの娘は自分の部屋で授業を受けていました。もともと恥ずかしがり屋なので、授業の様子は見せてもらえませんでした。

平海さんうちは、リビングで授業を受けることが多かったです。娘が先に始まるのを待っている日もあったので、私は「今日は仕事には行かないけど、リビングにいない方がいいかも」と思い、参観日じゃないですけど、離れて様子を聞いている日もありました。

「あたり前」はあたり前ではなく「幸せ」
一斉休校で気づいた一番の宝物

佐々木さん3月に休校が始まり、4月になっても5月になっても登校することはできませんでした。親しい友だちとはLINEでつながっていたとしても、それだけではやはり不安はぬぐえません。学校に行けなくてもクラスのみんなとつながっていられる、その安心感は支えになったと思います。
今回の事態を経験して、子どもたちは「あたり前」の大切さを感じたのではないかと思います。学校に通えるあたり前、お友だちとはしゃぎ合えるあたり前。あたり前の日常が、実はどれだけ幸せなことか。そういうことに気づくことができたのではないかと思います。

平海さん宗教の授業だったと思いますが、 先生に「これまであたり前だと思っていたけどあたり前じゃなかったことは何ですか?」と質問されていました。学校に行くとか、友だちと何気ない話をするとか、勉強するとか。多くの子が「学校に行くことはあたり前にできることだと思っていたけど、そうじゃなかった」と話していました。今回、そこに気づくことができたのは、本当によかったと思います。

佐々木さん通学に時間がかかるので、学校へ行くのは少し面倒くさいと感じることもあったと思います。しかし、今回のこの事態を経験して、休校が開けて学校へ行けるとなった時には、やっとお友達に会えると本当に喜んでいました。

先生の寄り添う気持ちと気遣いが、
休校中の心のすき間を埋めてくれた

佐々木さん下の娘は公立小学校に通っていますし、こちらに通う上の娘も、小学校は公立で過ごしました。公立には公立の良さがあると思います。一方で、ノートルダム女学院にはノートルダム女学院の良さがあります。今回、全科目のオンライン授業スタートをはじめとして、休校中にご対応いただいた先生方のご尽力には、本当に感謝しています。

平海さん娘の担任の先生は、4月に新学期が始まって今日から3年生という日に、オンラインでの朝のHRを教室からしてくださり、「本来ならみんなで見るはずだった景色」と、教室の様子と窓から見える風景を見せてくださいました。体育の先生方は「美活部」として、自宅でできるトレーニングメニューをまとめた映像をつくっていらっしゃいました。私も、娘と一緒にやってみました。オーケストラクラブ、高校生徒会も、オンラインで全校生向けに応援映像を自主的に作って流されていました。誰もがつらい時に、誰かのために自分でできる何かを考え、動き始める。そういう指導は、まさに「ノートルダムらしさ」だと思います。

体育の教師3人が自主制作してまとめた自宅でできるトレーニングメニュー映像集「美活部」

オーケストラクラブでは、全校生徒にエールをおくるテレワークで演奏映像 「コロナに負けないで」を制作。全校生徒にエールをおくった

佐々木さん娘のクラスの担任の先生は、絵がとてもお上手なんです。日誌を提出していましたが、返してくださる時にはコメントと一緒に手描きの絵も添えてありました。リクエストするとその絵を描いてくださるそうで、娘も何回かお願いしたようです。私も見せてもらいましたが本当にお上手で!笑顔で眺める娘を見て、私まで心が和みました。

平海さんうちの娘は、生徒会活動もさせてもらっています。休校期間中、オンラインで文化祭をどうするかといったミーティングも行っていました。うちの子も、そんなに自分からどんどん発言していくような感じではありませんが、先生は「何かアイデアはないの?」と、一人ひとりの意見をしっかり聞いてくださっていたようです。このようなかかわりが、普段の学校生活の中でもしっかりとした信頼関係を築けているのだと思います。多少たりとも意見が採用されれば、本人もやはりうれしいですよね。絶えずそうして、子どもの能動性を引き出す指導をしていただいている、そう感じます。

9月22日から3日間にわたって行われた「オンライン文化祭」。中学・高校の生徒会文化祭実行委員たちが、「絶対に中止にはしたくない」という強い意志のもとにオンラインで開催

▶クラブ&生徒会活動・学校行事のこれから
【テーマ2】「代わり」ではなく「変える」。“オンライン文化祭“という挑戦[これまでにはない”新しい何か“を生み出す]

佐々木さんノートルダムは、先生と生徒、先生と私たち親との距離が本当に近い学校だと思います。

平海さんいま中学3年生なので、これから高校へ進み、さらにはその先もいろいろな選択を自分たちでしていかないといけません。先生方には、これからも引き続き生徒たちに寄り添ったあたたかいご指導をしていただきますようお願いしたいです。

佐々木さん保護者として学校にお願いしたいことは伝えさせていただき、これからも頼りにさせていただきたいと思います。一方で、父母の会として学校に協力できることは、できる限りお手伝いさせていただくつもりです。今回の休校期間は、子どもたち、先生方、そして保護者それぞれの立場でとても大変だったと思いますが、とても意味のある時間だったと思います。「お互いの信頼がより深まった機会」になったのではないでしょうか。

7月4日には、多くの学校では中止された「2020年度入学式」を開催。京都市内ではもっとも遅い「夏の入学式」だったが、1年生には記憶に残る一日となった