特長的なプログラム
柳田神父によるキリスト教的
ヴィパサナー瞑想
「ヴィパサナー瞑想」をカトリック的手法で再解釈したもので、柳田神父はその第一人者。過去や未来ではなく、「いまここにあること(現在)」に焦点をあてる。ありのままを見て受け入れるために心を整えるワークショップ。

先住民族の村人との交流、
学校訪問
ルソン島北部の山あいに住む先住民族・アエタの集落へ。フィリピン諸島に初めて住み始めた民族の一つとされる。ジャングルを生き抜く術を持ち、ベトナム戦争時にはアメリカ軍兵士がアエタから訓練を受けた。

虐待や性暴力から救出された
少年・少女たちの施設訪問
NGO「プレダ基金」へ。性的虐待や家計を支えるために性産業で働かざるを得ない女の子、家庭での虐待や刑務所で不当な扱いを受けた男の子の救出・保護活動を行う。ノーベル平和賞に2回ノミネートされた。

マニラ貧困地域への訪問・
子どもたちとの交流
マニラ首都圏にある人口約25万人のナボタス市の貧困地域へ。東南アジア最大の漁港があり、住民の約7割が漁業に従事。都市圏の公害、貧困と人口過密によるスラム化、不衛生な環境などの課題を抱える。

常識や既成概念、偏見の殻を破り、
自分に何ができるかの自問が始まる
フィリピンのスラム街や先住民地区を訪ね、その暮らしぶりを肌で感じる。この研修は、ノートルダム女学院の海外研修を象徴するプログラムだ。英語教師のDean Williamsは流暢な日本語で話す。
「目的は、これまで生きてきた中で無意識に作ってしまった常識、既成概念、偏見といった見えない殻を打ち破ること。そうして無垢な目で見た時に初めて、いま世界にはどんな課題が横たわっているのか?を客観的に見ることができ、同時に『自分ごと化』することもできるようになるのです」。
普段のDeanは、「グローバルワークショップ」という授業を担当する。そこではSDGsや国際間の政治・経済の課題などをテーマに、英語でディスカッション・ディベートする。「英語を学ぶ授業」ではなく、「英語で学ぶ授業」だ。
たとえば、SDGsの1番「貧困をなくそう」。「資金援助をするべきだ」という意見はすぐに出る。しかし、遠い国の人ごととして「評論」しているだけではないのか?
「現地で見る不条理な環境の中でも笑顔を絶やさずたくましく生き抜く人たち。その空間に自分を置いて初めて、『いまの自分にできること』を自問し、探し始める。それこそが『真のグローバルな感性の息吹き』です。日本に暮らす高校生にはタフな研修です。だからこそ、覚醒や成長のトリガーになる。爆発的なエネルギーを持った研修です」。