特長的なカリキュラム
コロナ禍が収束して3年。全国の学校では、中止されていた海外留学・研修プログラムが徐々に復活、ノートルダム女学院も2023年度から順次再開した。
渡航先や期間など、豊富で多彩なコースを誇るノートルダム女学院の海外留学・研修プログラム。再開にあたってあらためて、「これらのプログラムがめざすこと」を探った。
ノートルダム女学院の
海外研修プログラムがめざすもの
中学校・高校における「グローバル人材の育成」が謳われ始めて久しい。そうした名のつくコースを持つ学校も多く、ノートルダム女学院もその一つだ。しかし、「グローバル人材」とはどんな人材なのか?どんな知識や力を身につけるべきなのか?これらの問いに対し、果たしてどこまで言語化・具現化できていると言えるのだろう。
そうしたコースの多くは、カリキュラムの中心には、「英語力の強化」が据えられている。そして多くの場合、海外留学・研修プログラムはその「英語力強化の象徴的な学習方法」として位置づけられている。
しかし、ノートルダム女学院の海外留学・研修プログラムは、この考え方とは一線を画している。むしろ、「語学力強化だけを目的としたプログラムはない」と言っても過言ではない。
そもそも、長くても半年間程度の留学では、英語力を飛躍的に伸ばそうにもおのずと限界がある。こと英語力の強化を目的とするなら、留学や海外研修に頼るよりも、国内で英語に触れる機会と時間を増やすこと(量の確保)、社会課題やテーマにもとづいて対話・討議するカリキュラムを増やすこと(質の確保)。つまり「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学ぶ」。ノートルダム女学院では、そうした環境を整える方がより効果が高いと考え、それに基づいたカリキュラムを組んでいる。
にもかかわらず、なぜノートルダム女学院では、これだけのプログラムを用意しているのか?その目的は、「これからの時代を生きる地球市民としての意識と自覚を育む」ことにある。
ノートルダム女学院の教育理念は、「徳と知」をモットーとした全人教育である。カトリック精神に基づいて、「人が変われば、世界が変わる」という信念をもって、知性と品格をそなえた生徒の育成をめざしている。育てたい人のあり方は、「ミッション・コミットメント」に示し、そこに求められる力は、「4つのC」としてより具体的に言語化している。
ノートルダム女学院の海外留学・研修プログラムは、多感な中学・高校生の時期に、この「ミッション・コミットメント」に基づいて、身につけるべき「4つのC」という力を芽吹かせ、その資質を涵養することを目的として開発されている。
ミッション・コミットメント
4つのC