秋の気配が深まる10月15日(木)、高校2年生(家庭基礎)と高校3年生(家庭総合)の授業において、
京都の老舗茶舗より講師の先生方をお招きし、特別授業「日本茶の味わい〜煎茶コース〜」を開催しました。

「温度や時間で、こんなに味が変わるなんて!」
普段はペットボトルの緑茶に親しんでいる生徒たちですが、この日は一人ひとりが本格的な急須と湯飲み茶碗を手に取り、自分たちの手で丁寧にお茶を淹れる体験に挑戦しました。


お湯の温度、抽出する待ち時間、そして注ぐ量ー ほんの少し淹れ方を変えるだけで、お茶は全く異なる表情を見せてくれます。 玉露のまろやかな甘みと豊かなうまみ、そして煎茶のすっきりと引き締まった味わい。「温度や時間で味が変わるのが面白くて感動した」「色に注目したことがなかったけれど、お茶の表情から分かることがあって驚いた」と、実験のように目を輝かせてお茶の変化を楽しむ姿が印象的でした。


慣れない手つきでも、最後の一滴一滴まで慎重にお茶を注ぐひとときは、慌ただしい日常から離れ、自分の心と静かに対話する時間でもありました。
「初めて自分の手でお茶を淹れてみて、こんなにも心が澄むとは思わなかった」
そんな声がこぼれるほど、五感を使って向き合うお茶の魅力は生徒たちの心に深く響いたようです。


一杯のお茶から広がる、あたたかなコミュニケーション
お干菓子とともに自分だけの一杯をじっくりと味わった後には、「1人の若者として、日本文化のひとつであるお茶を大切にしていきたい」という頼もしい意識の芽生えも感じられました。

さらに素敵だったのは、この授業での体験が「身近な人を想う気持ち」へと繋がっていたことです。 「火傷が怖くて今まで家族に任せていたけれど、自分でも淹れられると分かったので、今度は同居しているおじいちゃん・おばあちゃんや家族に淹れてあげたい」「お茶を淹れる時間を、家族との会話のきっかけにしたい」


一杯のお茶を丁寧に淹れるー その小さな動作の中には、日本の伝統文化だけでなく、大切な人を思いやるあたたかな気持ちが詰まっていました。自分自身で心を整え、誰かをもてなす「ていねいな暮らし」の素晴らしさを実感できた、味わい深い一日となりました。