7月1日(火)、高校3年生の家庭演習選択者を対象に、竹工芸体験授業を実施しました。
今回は、(有)横山竹材店で竹工芸士としてご活躍されている田中めぐみさんを講師にお招きし、「四海波花かご」の制作に挑戦しました。「四海波」とは、四方の海に波が立つような美しい様子を表し、竹ひごを立体的に組み上げることで、その名の通り優雅な波の文様が生まれる伝統的な花かごです。
生徒たちは、初めての竹細工に興味津々の様子。田中先生のご指導のもと、最初は硬い竹が霧吹きで水をかけると柔らかく曲がることに驚きの声を上げていました。一本一本異なる竹の太さや色、節の位置に合わせ、それぞれの個性や伝統工芸の奥深さを感じながら、熱心に編み進めていきました。



参加した生徒からは、「万博のマレーシアパビリオンを見て、どうやって作ったのだろうと話していたので、まさかその制作にも携わった方のお話を聞けるとは思わず、とても嬉しかった」という声が聞かれました。
実は田中先生は、大阪・関西万博の大阪パビリオンに展示されている、鳥の巣をイメージした竹製の “やたら編みベンチ” の制作者でもいらっしゃいます。
また、田中先生がこれまで手掛けられた作品の写真を見せてもらい、複雑な構造や、一本の竹から取れる材料の少なさに驚きつつも、残った竹の再利用についても関心を持つなど、竹工芸への理解を深める貴重な機会となりました。
完成した「四海波花かご」を前に、生徒たちは達成感でいっぱいの表情でした。作品をご覧になったご家族から『え?!これ作ったん?!』と驚かれたことや、「自分らしさを表現できた作品に大満足です」などの感想が聞かれました。

今回の授業は、日本の伝統工芸の魅力に触れるだけでなく、ものづくりの楽しさや奥深さを実感できる貴重な体験となりました。