高校3年生 自主講座「弁証法と実存主義でみる現代社会」その3
2月8日(土)にご紹介した高校3年生 自主講座「弁証法と実存主義でみる現代社会」の続きをご紹介します。
《第4回目(2月14日)》
今日の話題提供者は、本校のボランティアクラブに、中学1年生から所属し、副部長を努めていたOさんです。
以前から、社会問題にも関心が高く、実践を通して取り組んでいきたいと考えていたようです。彼女が、テーマとして選んだのは「教育」です。「教育の意味とは何か?」「知識を覚えるだけなら、学校に来なくてもできるのではないか?」「学校は何のためにあるのか?」など、次々と深く鋭い「問い」が、投げかけられ、特に日本の学校教育に対する疑問、学歴中心主義などなど、様々なところに皆の話は広がっていきました。
そのプロセスの中で、「では私達が目指すべき教育とは何ですか?」というところに話題を絞っていくと、私M(担当教員)が、予想もしなかった方向へ、メンバーの考えは広がっていったのです。それが、以下の通りです。
少し見にくいですが、要するに、この中に書かれていることは、例えば「〇〇の教科をこうしてほしい」とか「こんな内容を教科で教えてほしい」など知識的なノウハウではなく、私Mが思うに、教育について 非常に本質的なこと をメンバーは黒板一杯に書き出していったのでした!
例えば、「生徒自身が自分たちで考えて行動できる学校」
「自分自身が何であるかを求める、追及できる教育」
「目的が明確にされた教育」
「一人一人にフォーカスした教育」
「他者と認め合える教育」など。
さらにそのために、
「勉強だけではなく 福祉活動に力をいれる教育 」
(本校が伝統的に取り組んできたことです!涙)
「グループ活動を行う」
「話し合いができるようにする」
「哲学を入れて欲しい」
(この意見に特に私Mは嬉しくて泣きました。(T_T))
メンバー達の意見の中には確実に「自分」と「他者」という存在が意識的にか、無意識的にか存在していて、「他者と共に生きる自分」を確立していくことが教育の目指すべきことだと考えているようでした。そして私Mが、「教育は人間を作る、更には社会を作っていくことになるので、皆さんの考えをまとめると、教育は他者と共に生きる力を育むことが、その目指すべきところと言えるのではないでしょうか?」と話させて頂き、「では他者と共に生きるために最も大切なことは何ですか」とメンバーに問うと、メンバーは皆、納得したように「 愛 」だと答えました。
(担当教員Mは(泣)・(泣)・(泣)・・・・)
「愛」それも「エロース」ではなく「アガペー(無償の愛・見返りを求めない愛)」であるという意見にたどりついたことをメンバー全員と私Mは、今回も確認することになりました。
振り返ってみれば、第1回目「人権」、第2回目「貧困」、第3回目「教育」。偶然にも毎回の対話の最終的結論が「愛」に到達するのは、偶然のことでしょうか? イエス・キリストの言った「もっとも大切なものは愛である」というこの真理 が、今回も私達全員に迫ってきた瞬間でした。(しみじみ・・)
では、来週はなんと最終回です。担当は私Mと同じ頭文字Mさんです。彼女は哲学好きな生徒さんです。ただ、最初にテーマとして「政治」を選んでいたのですが、それを変えたい、しかもまだ考え中ということで、私Mも何かなと少し気になっていて「早めに教えてね。」と伝えています。😀
また、来週も宜しくお願いします!