台風の日に

今まで私たちが体験したことがないような勢力をもった台風18号が、16日、日本各地を襲いました。京都だけでも、嵐山の渡月橋の様子や、桂川の氾濫、鴨川の土砂など、目を疑う光景がテレビを通して目に飛び込んできました。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。 
特別警報の「危険が迫っています」「命を守る行動をとって下さい」というような言葉を、テレビやラジオで耳にすると、その非日常的な響きは、私たちの日常、私たちの命、私たちのこの地上での生活が、実に不確実で壊れやすいものであるのかを思い知らせます。 
私の自宅の庭の南側は、普段一滴の水も見当たらない、幅3mほどの砂防水路になっています。その水路に、16日未明より、付近の山々の大小の岩石や土砂を巻き込みながら、途轍もない勢いで濁流が流れ出しました。その濁流を見つめながら、東北を襲った大津波を思い出します。比べれば万分の一の亀岡のこの濁流。それでもテレビの画像とは異なる次元のインパクトは、私に「彼らを忘れるな」と語りかけています。

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