ノートルダム中学校 2021年度 卒業式式辞

ノートルダム女学院中学校 2021年度卒業式 式辞

 

2022年3月19日

 

学校長 栗本嘉子

 

 

 

 

 

 

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様、高いところからではございますが、お嬢様のご卒業、誠におめでとうございます。3年間、ノートルダム教育に共感し、信頼してご同伴頂いたことを、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

 


さて、今年度ご卒業される皆さんは、中学一年生の終わりにさしかかる辺りから今日に至るまで、新型コロナウイルス感染症との対峙の日々であったと思います。まさに地球全体に襲いかかった、世界規模の大感染となったこのコロナウイルス感染症、私たちは、「コロナが終われば」とか、「コロナが収束しなければ、」という言葉で、大切な行事を中止したり、楽しみにしていたイベントを延期したり、そのことの連続だったと思います。その中で、皆さんは工夫し、たった一度しかない中学時代の青春を懸命に駆け抜けてくれました。そのことを私は誇りに思っています。高校に上がられても、今しばらく、このコロナウイルス感染症はゼロにならないとすれば、そして、さまざまなことがそのために延期や中止になることがあったとしても、皆さんはいつも、常に、「今」という時間を最大限に大切にすることを心がけてください。ともすれば、コロナの為に、本番がまだ来ない、というような気持ちに陥り、あたかも楽屋裏にいるような錯覚を起こし、今という時を先送りするようなことがあってはなりません。私たちの時にとって、生きるように招かれている時は、今なのです。過ぎ去った過去を悔んだり、まだ来ない未来を心配するがあまり、「今」を精一杯生きることから遠ざかってしまうことがあってはならないのです。

 

 

 

 さて、このパンデミックの2年の間、世界のあらゆる場所で、共通の目標、コロナウイルス撲滅を目指して力を結集し、ワクチンを作り出すことに成功し、ウイズコロナ、アフターコロナにおける生き方のパラダイム・シフトが多くの局面で語られるようになりました。医療に携わる方々を含む、多くのエッセンシャルワーカーと呼ばれる方々によって、わたしたちの普通の暮らしが、どれほど滞りなく支えられてきたものであったのか、ということを再認識できました。また我々の心に潤いと高まりを与えてくれたあらゆる分野の文化、芸術、スポーツやエンターテインメントの大切さ、そして同時にその脆さも、この際に改めて認識しました。コロナ渦であった、我が国を含む二つの国での大きなスポーツ祭典を始め、国境を越えて共通の目標に向かう時、地球全体がつながっている、優しい気持ちが溢れている、ひたむきに頑張る人々を皆で応援し、自分も頑張る、そんな気持ちにしてもらえたのは恵みの時でした。

 

 

 

 

 

まさにコロナ渦だからこそきらめく、人々の心と心の温かいつながり、それがたくさんあった2年間でもありました。一方で、このパンデミックという嵐は、この世界の現状の中に潜む、あらゆる負の側面、利己心、不寛容、不正義、分断、不公平な分配、経済やテクノロジーの格差といった現実をより明白に露呈させました。教皇フランシスコは、新型コロナウイルスのパンデミックは、「無関心」というウイルスによるもう一つのパンデミックの存在を浮き彫りにした、と言われました。今日、このおめでたい日に、皆さんの生きる世界は、こんなにひどいのだと言いたいわけではなく、また警告を与えたいわけでもありません。むしろ、このような世の中に、このノートルダム女学院中学校で学ばれたあなたは、どんなに小さくとも輝く灯なのだということを信じてほしいのです。必要な人々のために、その光を待っている人たちのために、灯される小さな光を、皆さんが、皆さんの胸の内に既にもっておられる、そのことを今日、私は申し上げたいのです。まさしく、「あなたがたは世の光である」というマタイによる福音書5章の聖書のことばの通りなのです。イエスは、すでにあなたがたは「光である」とおっしゃっている。光になれ、ではなく。そして、「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい」と仰っています。何のために?それは、あなたがたの行いを見て、それを見た人が神様を知るようになるためだと、そう、おっしゃっている。自分が輝くのは、神様の為なのです。あなた方は、すでに「光」である。その光を、どうぞ、ご自分の内側から人々の前に、輝かせてください。分断された世界を、あなたの光でつなげてください。心細く泣いている人がいれば、あなたの光で照らし力づけてください。自分と異なるように見える人がいても、あなたの光で、違いよりも協働できる何かを探してください。

 

 

 

 

 


 ご自身が輝く方法は、すでにあなたがたはご存じです。本校の宝であるミッション・コミットメント、これをご卒業に際して、今一度思い起こされるようにお勧めしたいと思います。マリア様に倣って、すべてを尊び、心を込めて聴き、心を開いて共感すること。そして、人々の幸せとこの地球の平和の為に歩み始めること。そのことを一日ごとに、丁寧に行ってみてください。それが本校があなた方に願う、生徒としての生き方です。皆様のご卒業に際して、神様の祝福が豊かにありますよう、心からお祈りをいたします。

 

 

 

 

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