古代ローマ遺跡オスティア

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今日は、紀元前から4世紀頃までローマ時代に繁栄した港町、オスティアを訪れました。理由は、マザーテレジアが修道会の会憲を作るに当たって、その精神が基になったと言っても過言ではない、4世紀の聖人アウグスティヌスが、同時代に、ここで生活したことがわかっているからです。彼の名著、「告白」を通して、私たちは、彼の精神的遺産に豊かにふれることができますが、それをさらに臨場感をもって味わうために、実際に訪れることにしました。本部修道院から電車を二度乗り継ぎ、ローマン・パインと言われる巨大な松の木立に迎えられながら、ようやく門をくぐると、既に身体は古代のローマ帝国時代にタイムスリップしています。様々に多様な街並み跡、生き生きとした人々の暮らしが想像できる温泉や商店街跡、至る所に施された芸術力溢れる彫像や床のモザイク、そこには時間の経過の長さからは考えられないディテールが今も鮮やかに残されていました。 
写真は、「告白」の中に実際に登場する劇場です。ステージに降り、そこから階段を眺めながら、彼がこの客席のどこかに座っていたことを想いました。彼があまりにも誠実に、神の方向へと生涯かけて、その存在を一段ずつ高めていった歩みを、階段を眺めながら黙想しています。

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