ノートルダム女学院中学高等学校 2020年 1学期始業式 講話

ノートルダム女学院中学高等学校 2020年度第1学期

放送始業式 学校長講話

 

 在校生の皆さん、本日は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、このような始業式になっています。学校も32日から休校となり、多くの皆さんが最後にこの坂を上がってから、一カ月以上たつという中、世界ではたくさんの方々が感染症の犠牲となられ、今もなお闘病されている方々が数多くおられます。闘病の末に亡くなってしまった方々も世界中で8万人にのぼると聞いています。

 

 そして、コロナウイルスの関係でお仕事を奪われてしまった方々、不便な生活を余儀なくされている方々、ご家族がバラバラになっている方々など、私たちの想像できないようなことが次々の地球上を襲いかかっています。まず、何よりも先に私たちがすべきこと、それは、今、皆で心を合わせて、一緒に祈るということです。この方々の経験されている大きな苦しみと哀しみがどうか癒されて、一日も早く慰めと平安な心をお与えくださいと神様に祈ること、そのことを、まず、最初に行いたいと思います。今本校におられるすべて方々はご起立して、どうぞご一緒に心を一つにしてください。

 

神様、私たちは今、立ちはだかるコロナウイルスが地球規模で拡大する中、苦しむすべての方々のために祈ります。そして悲しみに打ちひしがれているすべての方々の為に祈ります。私たちは今元気にここにこうして来ることができました、こうやって学校に一日でも登校でき、お互いに声をかけ合って笑顔で過ごすことができている時、ついつい、今同じ時を、涙にくれて生きている人のことを忘れてしまいがちです。私たちが、その人々のことを忘れないで、すこしでもこの人々に慰めが与えられるように祈ります。また苦しみの果てに天に召された方々が、永遠の安息の中にいらっしゃることを切に求めます。そして、自分自身の感染の危険がある中で、それでも一生懸命病人の治療にあたってくださっている医療従事者の方々のためにも感謝と祈りを捧げます。この方々をどうぞ感染からお守りください。この地球的なコロナウイルスの猛威が一日も早く収束し、多くの方々にとって安心と平和な日常が戻りますように。

私たちの主イエスキリストによって、アーメン♰

 

 皆さん、お座りになってください。

 

 さて、このような形での今日の始業式の後、明日から長い間学校に来ることが許されない皆さんは、お友だちと知り合い、仲良くなる機会も当分お預けになり、新学年の授業を、皆とご一緒に受けることもできない。そのような制約のたくさんある、厳しい春となってしまいました。皆さんの新しい仲間となられる新入生の中1、高1の皆さんの入学式も一旦中止、学校が再開されたら行う、ということになりました。何もかも、予定通り、計画通りにはいかない現状に残念な思いがいたします。

 

 しかしながら、先ほどのお祈りの中でも申し上げましたが、世界の現状をみれば、新型コロナウイルス感染症の拡大が今もなお収まることなく、これまでに130万人以上の方々が感染し、8万人近い人がお亡くなりになっている気が遠くなるような現実の前で、私たちは自分たちの不足や不満の思いはどこかに消えてしまいます。そして、このウイルスと闘う唯一の方法が今、一人ひとりが動くことを止めるということなのであれば、そのことをまっすぐに行おうと思うことができる。マスクや手洗い、消毒をする、換気をする、集まらない、お互いに近寄らないというような、私たちにできることをしていこうと思えます。それがこれ以上の感染拡大を防止する唯一の有効な方法だからです。世界は今、その方法で全員が心を一つにして戦い続けています。日本の京都の、この地に今いるあなた方も、世界とつながって、この戦いに参加しているのです。一緒に連帯してまいりましょう。

 

 そして、休校の間には、一つの教室で先生とクラスメートたちと集まって授業をすることはできませんが、本校は来週から毎日、オンライン授業を行います。先生方は、皆さん方の学びをパソコンやタブレットの画面を通して、支え続けていきます。いろいろな制約のある中で、工夫次第でこれまでに経験のない体験もできることでしょう。そのような体験でワクワクしながらお勉強ができれば、たとえ皆と会えなくても、ノートルダム生としての本分を果たしていると言えます。このように、それぞれに置かれた場で、制約と戦いながら、自分のやるべきことをしっかりと責任をもって、また喜びをもって行っていくこと。それが、この地球の「今」を生きる一人として、皆さんにはっきりと期待されています。

 

 この拡大が収束し、落ち着きを取り戻したら、是非皆さん一同に会して、ノートルダム女学院の新しい年度の始まりを記念して、神様の祝福を願うひとときをもちましょう。その時を私は今から心待ちにしています。私からのお話は以上です。

 

 

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