校長先生からのメッセージ「ノートルダム女学院中学高等学校にご入学された皆様へ」

 

 

校長先生から新入生へのメッセージ

 

ノートルダム女学院中学高等学校にご入学された皆様へ

 

 

 新入生の皆さん、ノートルダム女学院中学高等学校へのご入学、誠におめでとうございます。

 

 本来であれば、本校は、この49日に入学式が挙行され、皆さんお一人おひとりが、ノートルダム女学院の一員になられた証しとして学校長から校章を手渡されます。私の手から皆さんの手に、校章をお渡しする時、私は皆さんそれぞれのこれからの中学生活、高校生活が神様の祝福に満たされたものであるようにお祈りを込めています。今年は、そのような機会が皆さんにまだやってこない、そればかりではなく、オリエンテーションの翌日から長い間学校に来ることが許されない、お友だちと知り合い、仲良くなる機会もない、中学校、高等学校の授業を、皆とご一緒に受けることもできない。そのような制約のたくさんある、厳しい春となってしまいました。

 

 しかしながら、世界の現状をみれば、新型コロナウイルス感染症の拡大が今もなお収まることなく、これまでに 130万人以上の方々が感染し、8万人近い人がお亡くなりになっている気が遠くなるような現実の前で、私たちは自分たちの不足や不満の思いはどこかに消えてしまいます。この方々に今もなお襲いかかっている大きな苦しみと哀しみの前には、ただ、どうか癒しと慰めをお与えくださいと神様に祈ることしかできません。そして、このウイルスと闘う唯一の方法が今、一人ひとりが動くことを止めるということなのであれば、そのことをまっすぐに行おうと思うことができる。マスクや手洗い、消毒をする、換気をする、集まらない、お互いに近寄らないというような、私たちにできることをしていこうと思えます。それがこれ以上の感染拡大を防止する唯一の有効な方法だからです。世界は今、その方法で全員が心を一つにして戦い続けています。日本の京都の、この地に今いるあなた方も、世界とつながって、この戦いに参加しているのです。一緒に連帯してまいりましょう。

 

 そして、今からの休校の間には、一つの教室で先生とクラスメートたちと集まって授業をすることはできませんが、本校は来週から毎日、オンライン授業を行います。先生方は工夫をいっぱい凝らしてタブレットやパソコンの画面上で皆さん方の学びを支え続けていきます。いろいろな制約のある中で、工夫次第でこれまでに経験のない体験もできることでしょう。そのような体験でワクワクしながらお勉強ができれば、たとえ皆と会えなくても、ノートルダム生としての本分を果たしていると言えます。このように、それぞれに置かれた場で、制約と戦いながら、自分のやるべきことをしっかりと責任をもって、また喜びをもって行っていくこと。それが、この地球の「今」を生きる一人として、皆さんにはっきりと期待されています。

 

 この拡大が収束し、落ち着きを取り戻したら、是非、盛大に入学式を行いたいと思います。その時に、私から皆さんお一人おひとりに、校章をお手渡しすることを今から心より楽しみにしています。

 

学校長 栗本 嘉子

 

 

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