学校長の日記

ノートルダム女学院中学高等学校 創立65周年記念式典 式辞

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ノートルダム女学院中学高等学校
創立65周年記念式典 式辞
2017年10月14日
学校長 栗本嘉子

ノートルダム女学院中学高等学校は本日、創立65周年という節目の年を迎えました。
生徒の皆さん、本日私はこのように皆さんとこの節目の年をお祝いすることができて本当に嬉しく思います。特別な日である今日、ノートルダム生として生きるということはどういうことなのかということをご一緒に考えてみたいと思います。
保護者の皆様、本日はようこそお越しくださいました。私たちを信頼して、大切なお嬢様をお委ねになって頂いた保護者様の、その信頼に支えられて、私たちもまた今新たな一歩を踏み出そうとしております。今日、ノートルダムの大切な心を皆様と分かち合うことができましたら、これ以上の喜びはございません。
そして、このように多くのご来賓の方々とこの喜びの時に共に与ることができますことを、神様と皆様に心より感謝申し上げます。本日は、ご多用の中お越し下さり、ありがとうございます。
さて、創立記念日は、私たちの足元を見つめ直す日、どのような土の上に私たちが立ち、その土はどのように耕されて今日あるのか、そのことを思い起こし、そして、その土の上でこれまで、様々な偉大な神様の業が行われたことに対して、感謝し、心を躍らせ喜びあう時でもあります。そして、さらに、この特別な日は、新たに、私たちがどの方向に向かって歩み出せばよいのかを確認し、決心する日でもあります。
 私たちには、創立者、初代学校長シスターメリーユージニアから受け継いだ尊い建学の理念というものがあります。建学の理念とは難しい言葉なので、これを分かりやすく言い直すと、私たちの学校の心ともいえます。私たちの学校が65年前の創立の時から2017年の今日にいたるまで、少しも変わることなく受け継がれてきた学校の心。それはまさしく、ノートルダムが精魂込めて作り上げてきた秘伝の味とも言えます。他の学校には決して真似できない、ノートルダムがノートルダムであるための特別なレシピということもできましょう。それは、時代の要請に応えてしなやかに進化させてきた多くのものの土台となって、いつも私たちを立ち返らせ、私たちを抱き、私たちを励まし、行くべき方向を指し示すものであります。

 「徳と知」これが、私たちの建学の理念であります。「徳」とは、神に愛されていることを悟り、自分も他者もそして、生きとし生けるすべてのものを尊び、そのために行動しようとする心のあり方です。「知」とは、真理を探究し、人間
存在とその営み、神がおつくりになったこの世界、この宇宙の姿と仕組みの奥深さにふれ、その神秘に感動する力です。「徳」と「知」は、車の両輪であり、両方を同時に稼働させて初めて人としてまっすぐに歩むことができます。

この「徳と知」の理念は、さらに2010年になって、学校法人全体として、「ミッション・コミットメント~私たちの決意」という名の行動指針として、聖母マリアの生き方に倣う四つの動詞によって表されることになります。ここにいる皆さんはそれらが何か、もう既に言うことはできますね。すなわち、それは「尊ぶ」「対話する」「共感する」「行動する」です。わかりやすい動詞でも、聖母マリア様のように尊ぶこと、マリア様のように対話すること、共感すること、行動することは、言うほどには簡単ではないのです。それらをきちんと生きることがどれほど難しいことであるか、私たちは日々感じています。しかしながら、私たちは決意したのです。このように生きるのだと決意しました。生徒の皆さんだけではなく、私たち先生たち職員たちも、この4つの言葉を生きる決意をしています。日々の中で何か誤解が生じること、誤りが生じる時、お互いの存在を尊び、対話的にものごとを解決しようと努力します。皆さんよりも少し先を生きている私たちから、この生き方を実践することは当然のことです。 皆さんが学校の中で身につけたこれらの生き方は、皆さんが学校の外に出ても、一生かけてもそれを貫いてほしい、これを私は願っています。それが、ノートルダムという名前、聖母マリアを校名に頂いている学校の生きる道であるし、そこで学んだ皆さん一人ひとりに神様から出されている生涯の宿題であるということができるでしょう。

 ミッション・コミットメントと共に、私たち中学高等学校は、2016年から今年度にかけて、さらに「学力」という観点に絞って、新しい方向性を打ち立て、すべて英語ではCから始まる4つのことばで表される4つの力を採択しました。すなわち、コミュニケーション力 (Communication)、問題発見・課題解決力(Critical thinking/ problem-solving skills)、協働力 (Collaboration)、創造力 (Creativity)です。なぜ、この4つの力なのか。今、日本の国全体で、本当の学力とは何か、という問題に取り組もうとしています。この背景となる現代思潮として、地球社会のグローバル化、IT化、人口知能の進化があげられます。そしてそれはむしろ私たちに、人間とは何か、真に豊かな人間性とは何かを問いかけています。「学ぶこと」とは本当にどういうことなのか、今、21世紀の最中にあって、学校で学ぶとは何を意味するのか、ということについて、世界が考え始めているのです。

2020年の大学入試改革は、高校も大学も、同時的に「知識、技能」を獲得する以上の、より高次元の思考レベルを追及することになります。一点刻みのセンター試験は廃止され、より、思考力、判断力、独創性といったより高次元の思考を問うということです。 本校は、この流れを受けて、学習者自らが「本当にこれは面白い」と心から思えること、つまり、自らが主体的に学ぶことを強く促す教育を実践できる学校になっていく努力を具体的に始めました。2018年度からスタートする新しい3つのコースによってそれが具現化されます。すでに先駆けて、グローバル英語コースの斬新的な取り組みを始めとし、今ある授業や課外活動がすでにこのベクトルに向かってすべて組立てられつつあります。そのすべての活動に共通しているキーワードは、「本ものにふれる」ということです。本ものにふれてワクワクする、本ものにふれて豊かな発想を得る。ネットで調べるものではなく、リアルな現実にふれる。その空気を吸う。対話する。交わる。食べ物を分かち合う。今日の第3部の講演は、その意味でやはり、ワクワクする本ものにふれる体験の一つです。これを入り口にして、自分で探究する人が出ても不思議ではありません。

これまで概観した進化は、「徳と知」の建学の理念をユニバーサル・ヴァリューとし、その時代時代に適したより具体的な、そして実践可能な行動指針を生み出してきました。これは、私たちカトリック学校ノートルダム女学院に関わるすべての人々が、いつの時代に属していても、社会に対して、人間の誠を、人間の愛と勇気を、人間に与えられた可能性の開花を、雄々しく表明してきた証しであります。

どれほど情報伝達のあり方が進化しようとも、人口知能が今ある職業を片端から奪っていったとしても、神から与えられた有限の命を精一杯生きる人間だからこそできることが多く残されています。それは、一人の力の限界を、他者と心を開き合って協働しながら豊かさへと変換していける力であるし、そして、何かトラブルが発生した時にこそ、愛と勇気をもって相手を尊びながら対話を進めていける力であります。溢れかえる情報をただ鵜呑みにして右往左往することなく、批判的に課題を発見解決していける力であろうし、違いや多様性に対し心を開いて喜び楽しみながら、想像力をはためかせ、何かを生み出していく努力ができる力であるでしょう。それらは人工知能には決してできない、神から与えられた叡智のみが許す人間独自の「徳」であり「知恵」であるのです。

本年で創立65周年という節目の年となる今日、このようにノートルダムの教育理念の姿を皆様と概観することができてよかったと思っています。この歴史を、是非若い皆さんは受け取ってくださり、そして次の時代にそれを語り継いでほしいと思います。その歴史の中で人々の尊い働きがあり、その働き故に私たちが立脚している。来たる未来に、私たちが残せるものに誇りをもつことができるように、今日からの日々もまた精進してまいりましょう。
これをもちまして、式辞といたします。
 

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